株式会社ジェータックス
代表取締役専務 井戸 明則 様
「若い人達が物作りの喜びを感じる環境作りこれをやっていきたい
●スピード&フレキシビリティー
井戸 当社は、海外のお客様のニーズに合わせてトヨタ自動車が生産・海外で販売している自動車の、架装を行うというのが主な業務内容です。しかし、当社は架装用の用品開発のみを行っている会社ではなく、車両を作っている会社になります。
これは日本国内もそうですが、お客様は1つの自動車に対して、差別化や新しい製品を期待します。海外では「イヤーモデル」という言葉があり、内外装を始め、毎年少しずつ車両が変化していきます。そういった新規商品の製作や管理を担当し、最終的に完成車として製作しています。
当社は、私がトヨタ自動車にいた時に創ろうと提案しました。私がいた当時、トヨタにはC&A部という海外支援を中心に行う部署がありました。しかし、トヨタ内の様々な部署に権限が散らばっていて、サプライヤーさんが提案を持って来ても企画がなかなか決まらなかったのです。そこで、C&A部に各部署の権限をもらってきて、そこから会社を創りました。
会社を創ったことによって権限が集中しますので、お客様からご要望があればグループの中で価格や仕組み、どこでどう架装するかもすぐに決まります。一番大きいのは、トヨタのシステムを動かす権限をもらっているということです。トヨタのシステムを動かして、車両の配車等も全部我々で決めることができます。これによってスピードが上がり、フレキシビリティーも出てくるのです。
私は創業からずっと経営陣の1人として、この会社を引っ張ってくると同時に、創業理念も作ってきました。ビジョンがぶれないために一番大事なことは、創業理念がきちんと定まっていること。そんな考えで創業理念は作りました。
また、当社はトヨタグループの一員ですから、当社の企業理念ではそれを前面に出しています。企業理念は大きく分けて2つあり、1つは「トヨタ基本理念を基に、トヨタの行動指針に従って活動しよう」ということ。2つ目は「ジェータックスの創業理念と行動規範を基にして、社会やお客様に貢献する企業になろう」ということです。
当社のベースはトヨタの基本理念ですが、トヨタと少し違ったジェータックスの行動規範を付加することによって、当社独自の仕事ができると考えています。
また、創業理念では「使命」という言い方をしていますが、これは世界のお客様の満足度向上と代理店・販売店の車両販売向上、収益の向上に貢献するということです。さらに、環境等に配慮した高品質車の製造・販売を通して、世界の人と社会、環境に貢献するということも含まれています。
●会社の資産
当社はトヨタの子会社なので、自社で設備や資産を持っているわけではありません。そのため、当社における資産は何かと言うと「人材」と「システム」です。システムはトヨタとつながっていて、これが当社の利益を生み出す根源になっています。そして、それを動かしたり、開発したりする人材です。だから、当社の成長発展のためには、人材の採用と育成が必要なのです。
また、当社最大の企業リスクは「品質」です。品質で失敗したら信用を失い、この会社は潰れます。だからこそ人材、つまり当社の社員には「作り上げていく」という文化と姿勢が必要なのです。
もう1つ必要なものがあって、それは「チームワーク」です。我々がどうしてこういう会社を作ったかと言いますと、トヨタ自動車の組織規模では、月何百台程度の仕事だと需要の規模に比べて時間が掛かり過ぎてしまう。そういったニーズに素早く的確にお応えできるよう、この会社を作ったわけです。
だからこそ、当社は堅固なチームワークを持ち、トヨタよりも素早いスピードで商品を提供していかなければなりません。しかし、品質はトヨタ基準を満たさなければいけない。当社は、この相反することをやらなければならないのです。
解決すべき課題はまだまだ多いですが、お陰様でお客様からは高い評価を頂いており、業績は右肩上がりで急成長を続けています。人材も育ってきているので、将来は現在よりも高いレベルで物作りができて、品質を作り込める企業になると私は考えています。
●人がいない
現在、人事面で感じている課題は人がいないこと。この一言に尽きますね。当社は創業以来大変な伸びを示していて、現在の情勢を踏まえると、さらに伸びていく要素を持っています。だから、とにかく人を採用することが当面の課題です。
採用については、新卒ですと車が好きな人を採りたいと考えています。当社の仕事というのは、車が好きでないとやる気が出ません。そういった人達のほとんどは整備学校に通っていますから、新卒は整備学校中心に採っていこうと考えています。若干の事務職については、大卒女性を中心に採っていく予定です。
中途採用については、縁故を中心に考えています。広く一般に募集するよりも、我々の中で知っている人間が紹介してくれた人というのは、まず間違いがないからです。
最後に再雇用ですが、当社では60歳定年後も働けるだけ働いてもらおうと考えています。
トヨタでも再雇用がありますが、例えばトヨタの再雇用が65歳で切れたけど、まだ働きたいという方で当社に来てもらっている方もいます。トヨタで定年退職された方はトヨタの仕事の仕方や仕組みを熟知していますから、一般の方を採用するよりも当社でははるかに仕事ができますね。
また、今後社内の教育体系を作っていき、海外やトヨタに多くの出向者を出していこうと考えています。これは、海外で活躍できる人材を育成することと、トヨタと対当にコミュニケーションのできる人材を育成する。育成するだけではなく、そういった育成システムを管理できる体制も作らなければなりません。
話は変わりますが、私が当社で一番アピールしたいのが「世界で一番従業員を大事にしている会社にしたい」という方向性を持ち、それに沿って様々な取り組みを行っていることです。
給与はもちろん、福利厚生制度の充実も図っています。さらに、福利厚生施設も整備していこうと考え、社員にも発表しました。仕事の面はもちろん、給与・待遇面でも魅力ある会社にしていきたいのです。
そういった取り組みの影響もあると思いますが、中途採用の社員で他社を転々としていた者も、当社では定着してくれています。
当社の財産は何よりも「人」ですから、人を育て、大事にすることは当社のさらなる成長・発展につながるのです。今後もより一層の充実を図り「世界で一番従業員を大事にしている会社」を目指します。
Part.2へ続く

2008年9月11日